先日、テレビで「マジック」番組をみました。
マジシャンは、全盲の男性です。
トランプを使用してのマジックですが、
見る前から、マジシャンが全く目が見えない人だと
いうことに、とても驚きました。
トランプを他人に渡し、一切手に触れず、目も見えない
状態で、トランプを持ったGさんが、勝手にイメージした
カードの数字を当てるのです。
当たった瞬間、スタジオにどよめきの波が起こりました。
おそらく、テレビを見ていた視聴者の方も、ビックリした
のではないでしょうか!?
他にも、いろいろありましたが、ホントに
不思議の連続でした。
どうなってるんでしょうね。
スタジオのゲストたちは、もう成す顔がありません
という風でした。
マジシャンは、かなりの年配でおそらく
60代の後半ぐらいだったでしょう。
白髪の紳士風でした。
子供のころからトランプに馴染み、
以来、トランプを放したことがないくらい
絶えずトランプをいじくっていたと言います。
成人になってからも、一日中トランプの
練習をやっていたそうです。
それが実って、上記のような神業ともいえる
マジックに成功したのだと言います。
この番組を見ながら、私は、
「一切手を触れずに難病を治す人」
のことを思い出していました。
かつて、私は、
「〜 難病は必ず治る〜 」 という本を読んで、
それを書いた東京在住の著者に、直接電話をいれました。
「 診ていただけませんか? 」 という私の問いに、
快く OK して下さり、
翌朝、早速、郷里の鳥取から、東京まで出向いたのでした。
発祥から数年。
いま、思えば、一向に回復しない、わが身を何とか、治したいと、
藁をもつかむ気持ちだったにちがいありません。
「〜 難病は必ず治る 〜」 を書いたお人は、真言密教の僧侶で、
多くの人を、病から救っていたということを、
その本に書いておられたのでした。
私は、東京に在るその人の密教のお寺に、やく一ヶ月ほど、
お世話になりました。
そして、滞在中、生まれて初めて私は、
”病人に、指一本触れないで病気を治す”
という、不思議な現象をまのあたりにしたのでした。
患者は、日本のあらゆる所から来ております。
ほとんどが、日帰りの人で、難病者ばかりです。
心臓の悪い人、交通事故で下半身が不自由なひと、
がんの患者・・・・等々、 症状はじつにさまざま。
畳八畳ぐらいの部屋に、数人の患者が適当に座ります。
僧侶が仏壇の前に正座して、まんだらに手を合わせ、
祈ること、約30分。
その間、患者たちも、正面のまんだらに向かって、
それなりに手を合わせています。
祈りが終わると、患者の方に向き直った僧侶が、患者一人、一人に
「どうですか?」 と声をかけていきます。
「ありがとうございます。これで、杖なしに帰ることが出来ます」
膝が痛くて、杖を突いてこの寺へやってきた老女が、
喜んで、僧侶に頭をさげて感謝しているのです。
この寺に着いた翌日、私にとって、初日のことでした。
初めて見たこの光景に、私は、
「 あっ!! 」
と内心、声をあげそうになるほど、驚いたのでした。
そして、さらに驚いたのは、
大学医学部の教授 だという人が、
患者として来ていたことです。
この先生は、肝臓が悪く、自分の大学で、
どうしても治せないので、噂を聞いて、
この寺にやってきたと言うことでした。
教授は、私に
「私がここへ来ていたということは
内緒にしていてくださいね」
と小声で耳打ちされたのでした。
そっと、耳元でささやかれた教授の言葉に、
私は、なんとも、複雑な思いをぬぐえませんでした。